僕の事飼いならしてよ
「勉強もできて、運動もできてなんて、そんな人いないもんね。」

クラスの子達は、がっかりしながら、次の競技に言ってしまった。


私は、そんなみんなを横目に、陸君に近づいた。

「頑張ったわね。」

まだ息を切らした陸君が、こっちを向いた。

「ビリじゃあ、許してくれないんでしょ。」

「えっ?」

陸君は、ゆっくりと起き上がった。

「こんな僕でも、あなたにだけは、嫌われたくないから。」

「陸君……」


そう言えば、何で陸君と付き合ったんだっけ。

ああ、そうだ。

この真っすぐな想いに、気持ちが持っていかれたんだっけ。


「嫌いにはならないよ。」

私は陸君に、右手を差し出した。

「君は運動ができなくても、十分にカッコいいからね。」

陸君は、私の手を使って、立ち上がった。
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