僕の事飼いならしてよ
「先生の、手作り?」

「そう……だけど……」

すると陸君は、そっとおにぎりを受け取ると、むしゃむしゃとかぶりつく様に食べ始めた。

「うん。美味い。」

あの青白い顔は、瞬く間に幸せな笑顔に変わった。

「ご馳走様。」

「どういたしまして。」

おにぎりを食べて、胃が治まったせいか、陸君は足を前に投げ出した。

「先生。」

「なに?」

「1,000m走、完走したら、僕と結婚してくれますか?」

「えっ……」


頭が、真っ白になった。

何を言っているの?

君、まだ高校3年生だよ?


「はははっ。先生、真面目になってんの。」

陸君は、立ち上がった。

「ウソ?」

「ウソじゃない。でも、まだ早かったかな。」

陸君と目が合う。


「じゃあ、頑張って来て。ビリじゃあ、許さないよ。」

「分かりました。」
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