パクチーの王様 ~逸人さんがあやしい物を見ています~
『本当は持っていってあげようと思ってたんだけど。
むしゃくしゃするからお友だち呼んじゃったの。
ああ、ご実家にもひとつあるから、持って行ってあげてね』
はっ、お気遣いありがとうございます……。
まあ、お友だちがいらっしゃるのなら、行ってからも、延々と甘城の家と日向子さんの悪口を聞かされることもあるまい。
そう思った芽以は、店の休憩時間に、ひとり相馬《そうま》の家へと向かった。
逸人は夜の分の仕込みもあるし、神田川が来て、なにやら話していたからだ。
山への移転の話だろうかな、となんとなく思う。
店の近くに畑がどうとか言うのが聞こえてきた。
採れたての新鮮なパクチー。
……お客様は喜びそうですね、と思いながらも、芽以は日向子の言葉を思い出していた。
『山に行くのが嫌なら嫌って言えばいいのよ、夫婦なんだから』
うーん。
それはまあ、そうなんだけど。
でも、と思いながら、広い相馬の庭に入った芽以は、庭の片隅に暑苦しいものを見た。
むしゃくしゃするからお友だち呼んじゃったの。
ああ、ご実家にもひとつあるから、持って行ってあげてね』
はっ、お気遣いありがとうございます……。
まあ、お友だちがいらっしゃるのなら、行ってからも、延々と甘城の家と日向子さんの悪口を聞かされることもあるまい。
そう思った芽以は、店の休憩時間に、ひとり相馬《そうま》の家へと向かった。
逸人は夜の分の仕込みもあるし、神田川が来て、なにやら話していたからだ。
山への移転の話だろうかな、となんとなく思う。
店の近くに畑がどうとか言うのが聞こえてきた。
採れたての新鮮なパクチー。
……お客様は喜びそうですね、と思いながらも、芽以は日向子の言葉を思い出していた。
『山に行くのが嫌なら嫌って言えばいいのよ、夫婦なんだから』
うーん。
それはまあ、そうなんだけど。
でも、と思いながら、広い相馬の庭に入った芽以は、庭の片隅に暑苦しいものを見た。