パクチーの王様 ~逸人さんがあやしい物を見ています~
この燦々と照りつける初夏の日差しの中、雑木林の近くで、焚き火をしている奴が居るのだ。
近づかなくとも、火の前にしゃがんでいる後ろ姿だけで、それが誰だかわかった。
「圭太」
と声をかけながら、側まで行くと、
「なんだ、芽以か」
と何故かスーツを着たまま焚き火をしている圭太が振り返る。
「なにしてるの?」
「いや、ちょっと用事があって、家に戻ったんだが。
ちょうど積んであった剪定した枝が程よく乾いてたんで、火をつけてみた」
何故っ!?
と思ったが、そういえば、男はやたら火をつけたがる。
女より野生に近いからなのかもれしない。
子どもの頃、圭太も逸人もこうして庭の隅でいきなり焚き火をして怒られていたものだ。
……とは言え、何故、今っ?
どう考えても、仕事をしているはずの時間にっ?