好きだから傷付ける

美空「私も鬼藤くんと同じだよ。」

雅來「同じ?」

美空「怖くなるんだ。
失敗して嫌われて傷付くのが怖い。
だから、初めから1人の方がいい。
裏切らないものが欲しいんだ。」

誰にも話した事のない気持ちだった。
色んな理由をつけて
自分自身が納得出来る理由を作り上げて
1人の方が気楽だと言い聞かせてきた。

教室の笑い声なんて関係ない。
お昼休みになると机をくっつけて
お弁当を食べる皆の事なんて
羨ましくない。そうやって
何とか自分が惨めにならない
理由を探し続けてきた。
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