好きだから傷付ける
結局、鬼藤くんはいっくんが
帰ってくるとすぐに
自分の家へと帰って行った。
お風呂に入った私の事を
待ち構えていたいっくんは
これみよがしにココアを差し出した。
樹「温まるから、飲んだら?」
美空「ありがとう。」
ココアを飲んでため息をつく
私を見ていっくんは笑っていた。
樹「恋煩い?」
美空「そんなんじゃないよ!」
樹「誰なんだよ、あの男。」
美空「だから、さっきも言ったよ!
階段から落ちた私の事を
助けてくれたクラスメイトだよ。」
樹「嘘だね。美空のその腕。
後、捻挫以外にも何ヶ所か
足にもアザが出来てた。
そこまでアザが出来るくらいの
高さから落ちたのなら
怪我だけじゃ済まないと思うけど。
何があった?ちゃんと話せ。」