好きだから傷付ける
いっくんに隠し事は通用しない。
誤魔化せるとは思ってなかったけど
出来れば話したくなかった。
いっくんにだけは鬼藤くんの事を
悪い人だって思って欲しくなかった。
美空「話さなきゃダメかな?」
樹「約束しただろ?
隠し事はなしだ。」
でも、仕方ない。
いっくんに放り出されてしまえば
私は住む場所さえもなくしてしまう。
美空「彼は...学校では問題児なんだ。
いつも喧嘩ばかりしてて
数週間前までは自宅謹慎だった。
今日の帰り道、たまたま
彼が喧嘩してる所を見かけて
関わらないでおこうって思った。
でも、彼の大きな声に驚いて
足を止めた私の元に彼が殴った人が
飛んできて下敷きになった。
そのまま私は意識を失ったから
その後どうなったかは分からない。」
樹「なるほど。」