好きだから傷付ける

学校に着いた私の隣の隣の席には
鬼藤くんが座っていた。

学校にいる時の私はいつも
俯いてばかりで周りの事なんて
見ていなかったから
知らなかったけど鬼藤くんは
クラスの人気者だった。

たまに学校に来るから人気者に
なったのか、元々友達が多いから
人気者なのかは分からないけど
鬼藤くんの周りには沢山の人がいた。

お門違いな事を言ったと恥ずかしくなった。
こんな私が鬼藤くんの事を
慰めるだなんて自惚れもいい所だ。

鬼藤くんも一人ぼっちな人なんだと
勝手に思い込んでいた。
問題児な彼だけど、私よりも
遥かに人から慕われる人間だった。
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