溺愛総長様のお気に入り。
そんなむちゃくちゃなぁ……。
だったら電話帳に入れておかないでよ。
感謝はされても、怒られる筋合いないと思うんだけど。
黒羽の男の子って、常識が通用しない人が多いみたい。
「……終わった……」
……終わったの?
確かに、電話口だけでも怖そうな人だったけど。
これ以上あたしの関知するところじゃないよね。
再びパタリと倒れた彼を横目に見て。
「じゃ、じゃあ、あたしはこれで……」
最低限のことはしたと思う。
この状況もう耐えられないよ。
男の子と会話してるだけでも、かなり体力を消耗してる気がするもん。
そう言って去ろうとしたとき。
―――ガラッ、バンッ……!
半分開いていたこの教室のドアが、思いっきり開いた。