あなたの名前は忘れたけれど。
「この間ね、彼と一緒に飲みに行ったの」


美味い飯を食べる俺の頭を気安く撫でながらそう言った女の子。


「でもね、やっぱり最後には求められちゃうの、身体。今日はシないでおこうって思ってても、求められたら差し出しちゃうの。どうして?」


美味い飯を食べ終わり、舌なめずりをする。


「好きだからって、理由にならないのかなぁ…」


俺がまだ撫でられたままでいるのは、少しだけ居心地がいいからだ。

決して慰めではない。


「好きって伝えれないの。この間ね、彼氏が出来たって嘘ついちゃった」


柔らかい手のひら。

女の子らしい、甘い匂い。
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