あなたの名前は忘れたけれど。
「死んだら、何か変わるかなぁ…?」


ピタッと頭を撫でる手が動きを止める。


俺の尻尾の動きも止まる。

喉の音も止んだ。


「死んだら、彼の心の中にずっと居れるかなぁ……」


俺は閉じかけた瞼を開き、顔を上げ女の子を見上げた。


少し長い前髪の毛先が濡れている。


雫がポタリと、俺の顔は落ちてきた。


「死んだら、彼の本音を聴けるのかなぁ………」


なんと、愚かな者よ。

人間とはなんて罪深い生き物だ。
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