あなたの名前は忘れたけれど。
「斉藤先輩!」


親しみを込めてその名を呼ぶ。


くるりと振り返る先輩は、やっぱりカッコいい。


「おぉ、お前か」

「おつかれっす」

「おつかれさま」

「今日も…面会ですか」


そう問うと、頭をガシガシとかきあげた。


「…明日、勇気の両親に会ってくるよ」


俺は思わず「はい?」と返す。


「少しでも、勇気が早く復帰出来るように。自分に勝てるように、何かしてやりたいなぁって思って」


俺は少し戸惑う。
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