俺の女に触るな!
正面に向き直ったら、ちょうど店から飛び出した四十才かそれ以上かのおじさんにぶつかった。てか、フラフラ揺れる酔っ払い二人に押された感じになった。
「きゃっ!」と、声が出て、私は尻餅をついた。二人のおじさんはベロンベロンになっている。作業服っぽいお揃い。半径二メートルは酒臭い。しかもはしゃいでいる様子。漫才師のように手を叩いて笑いを煽るように私を囲んだ。
「あー、ねーちゃん、危ないなー」「抱き起こして欲しい?欲しい?お姫様ダッコ?」
「やっ!あ、いえ、こちらこそ……すみません」
怖い……。
とっとと逃げ出したい。ぶつかってきたのはそっちだけど謝って済むなら自分に非がなくても謝っちゃう。これが私の悪い癖。多分大人になってクルマ運転するようになったとして、ぶつけられ事故でもこういう場面に出会ったらすぐに謝っちゃいそ。お父さんに聞いたことあるけど、これ絶対にやっちゃダメらしい。過失を認めたことになるそうだ。この場は下手に出ちゃダメらしい。後々の戦略に関わるそうだ。
だったら私は将来、運転しないかもしれない。だってビビりだもん。