俺の女に触るな!



「いたたた、な、何だお前」



どういう原理なのか、トモに手を掴まれたおじさんは動けなくなっている。


「俺の女に触るな」


「だから何なんだてめえ!」


「俺、未成年だから何があってもガキには甘い少年法に守られちゃうんだけどさ、警察来るまで殴り合う?」


「おいおい、もう止めろ」と、大人し目の口調の相方が慌てて二人を引き離そうとして間に入った。


「お前もヤルのか?」


私は唖然として固まっていた。トモって、こんな怖かったっけ?



トモに手首を掴まれたおじさんは酔いが覚めたのか、しゃきんと背筋を伸ばして手を振り解き、舌打ちをして去った。もう一人が後を追う。


「冗談だ、冗談、ノリ悪いな!」


捨て台詞。よかった、狂暴系の人じゃなくって……。



路行く人々はちょっと足を止めるものの、やがて何事もなかったかのように平然と歩みを再開して街は雰囲気を戻していた。




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