キンダーガーテン四   ~私の居場所に~
「先生…………教えて。」

私の決心を感じた先生は

私をもう一度、強く抱きしめ直して………

「海晴ちゃんは………
うつ病を患ってる。
この間、航と薬でもめたのは………
航が確認を取る為だったんだ。
洋ちゃんに『心療内科で見かけた』って言われて
確認を取りたかったから。」

えっ……………?

心療…………内科…………??

…………………………うつ病って……………………。

思ってもみない話に、頭が動かない。

どうして?

そんなに苦しんでるの?

気づいてあげられなかったことに、涙が溢れる。

「驚かせたね。
ごめんね。
でも…………海晴ちゃんは今も苦しんでるんだ。
航も…………苦しんでる。」

そうだよね。

大切な人が苦しんでるのに…………理由が分からないと…………辛いよね。

「…………………航君に……………酷いこと言った……………。」

自責の念にかられていたら

「さっきも言ったけど………
唯ちゃんの言った言葉は…………みんなを助けるんだよ。
俺ですら言えなかった言葉だから。
航も3人も……俺だって。
唯ちゃんに背中を押してもらったって思ってる。
誰より海晴ちゃんを助けたい!って。
だから…………
俺は今、話したんだ。
唯ちゃんの気持ちを、海晴ちゃんにも伝えて欲しくて…………。
一人じゃないんだよって。」
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