届かない想い・愛される喜び

未姫は悩んだ。

正直・・・
海音のことは・・まだ好きだ。
忘れることはなかった。
三年も一緒にいたの・・だから

ただ、怖い気持ちもあった



あの日
実家に帰り、しばらくすると・・・
熱っぽく、身体がだるい、胃の辺りも
すっきりしない・・・風邪？


そんな中、母に
「病院に行くよ。」
と、言われて連れてこられたのは
産婦人科だった。
えっ、ここ？
と、思っていると
検査をされて
母と一緒に呼ばれた

私、なんか悪い病気？
と、思っていると
「妊娠されてますね。
今、二ヶ月位かな。」
と、女医先生。

頭が真っ白になった。

だけど、先生から
エコーを見せて貰う・・・
まだまだ、小さくて
よくわからないけど
トクン、トクンと動く心臓を見て
涙が流れた。
母は、私の背中をさすりながら
「先生、産みますので
宜しくお願い致します。」
言った。
先生は、笑いながら
「では次回、
母子手帳をお願いします。」
と、言ってくれた。

海音との別れや
会社を辞めたこと
などで、精神的なものから
遅れているだけだと・・
思っていた

悪阻は、少しあったが
今はもう、安定期に入り
仕事をしている母と弟に変わり
家事をやっている。

海音が、訪ねて来た事で
母と樹也は、
「「一人で産むなら
全面的に協力する
だけど、未姫・姉貴が
幸せになることが一番だから
良く考えて決めなさい。」」
と、言ってくれた。

私は、嬉しくて
二人に「ありがとう。」
と、伝えた。