キミに降る雪を、僕はすべて溶かす
淳人さんは容赦なく言い切り。精悍さを滲ませる端正な顔立ちで、あたしを見据える。

「お前を菅谷の傍に置いておくべきじゃなかった。分かってるはずだ、リツがこいつの自己満足に付き合ってやることはない。もう菅谷からは離れろ」

厳しい眼差しと一緒に降り注いだ言葉が。・・・あたしの為を想ってくれてるのも、痛いくらい染みてた。
お兄ちゃんが、こんな形のあたしとミチルさんの結婚を慶ぶかって言ったら、やっぱり怒ると思う。分かってる。・・・わかってるけど。

「・・・・・・いいの。淳人さん」

一瞬伏せた眸を合わせて、あたしはぎこちなくても笑った。

「ちゃんと自分で決めたことだから、心配しないで・・・。大丈夫です」

「聴けんな。俺には志室との約束がある」

言いながら、気配が変わった。
細めた目が、獲物を狙い定めたかのような鋭気を放つ。

「リツ。俺の女になれ。この命に懸けて生涯、お前だけに惚れ抜いてやる。・・・来い、俺と一緒に」


舞い降りた空の王者の力強い爪に。魂ごと鷲掴みにされて、そのまま浚われると思ったくらい。
本気だった。淳人さんは。
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