キミに降る雪を、僕はすべて溶かす



ミチルさんは、あたしに全てを話そうとはしない。

お兄ちゃんが事故に遭った夜のことも。彼のお養父さんと千倉組にお兄ちゃんが関わってて、そのことであの繁華街にいた。・・・とだけ。
淳人さんが、偶然行ったんじゃないって言った意味は分かった。ミチルさんが、それを後悔してたことも。
あの日、そこに行かなかったら運命は違ってた。お兄ちゃんは今でもここに居てくれた。でももう巻き戻しはできない。どんなに願っても。

お兄ちゃんは、誰かに強要されたって聞くような男じゃないから。
自分で考えて、決めて。淳人さんの組と何かに関わってた。ミチルさんが言えないのはきっと、あたしの中のダイスキなお兄ちゃんを壊さないように。

ミチルさんが自分をどう思ってても。
あたしには、優しくて他人の気持ちも痛みも分かる人。
だって。だから。
あたしは笑顔でいられる。ココロから。

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