12月の春、白い桜が降る。
電話に出ると、相手はクラスメイトの西村 康平(にしむら こうへい)であった。

『もしもし、よう?お前補習どうだった?』

「面倒臭かったに決まってんだろ…。
夏休みに学校に行かなきゃなんねんだから。」

僕は電話をしながら、康平と今面と向かって直接話しているかのように表情を一転させながら話した。

『あっははは、そりゃそーだ。
ところでさ、お前明日暇?』

「まぁ、午後は。別に暇だけど」

『おっしゃ!じゃあさ、山本さんへの誕生日プレゼント買いに行くの付き合ってくんね〜?頼むよ』

康平は隣のクラスの山本 千夏子(やまもと ちかこ)さんに惚れていた。

山本さんは美人だし、明るくクラスの中心的な人で、男女問わず人気を得ていた。

男子からは恋愛感情として見られることもまれじゃなく、
中一の頃の宿泊学習や、中三の修学旅行でも、
部屋で同級生の男子達が、みんな山本さんのことを話していた。

…僕も例外ではなく、小学生の頃から、彼女にずっと恋をしたが、
中二の秋に一度キッパリ振られた。

ただその時は、既に彼女にそれほど惹かれていたというわけでもなかった。

高嶺の花だった彼女に、叶うわけがないと諦めていたのだろう。

ただ、詳しい理由はもう忘れてしまった。

それから高校生になって、たまたま山本さんと高校が同じになった。

康平とも出会って、康平からよく山本さんについて相談された。

中二の秋に振られていたのもあって、別に大して嫌気がさしたりすることも無く、

僕は気兼ねなくそれなりに協力してきた。

「別にいいよ。」
『やったね!じゃあ明日また電話するわ〜じゃあなー』




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