12月の春、白い桜が降る。
「あと、」

彼女は両手に持っていたコップを置き、両膝をソファの上にあげて体育座りの格好をして言った。


「私ね。もうすぐ死ぬんだ。」

「えっ。」

唐突すぎる彼女の言葉に思わず声が漏れる。

「脳癌なの。一年前に気がついたんだけど、あと二年くらいしか生きられないって言われたの。」

胸が締め付けられるような感じだった。

急に来て、急にそんなことを告げられても頭が追いつかないし、
なんて言えばいいのかもわからなかった。

「だからね、冬郷 ようくん。」

彼女は先程上げた両足を元に戻し、背筋を伸ばして座った。

それを見て僕もなんとなくかしこまったように背筋を伸ばし、黙って声を聞いた。

「だから私は、あなたに会いに来たの。」



どういう意味だか、やっぱり意味がわからなかった。
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