やさしくしないで ~なぜか、私。有能な上司に狙われてます~

私は、彼の手を握って言う。
「どうしてそんなふうに思うの?私は、あなたのことが好きだって言ってるのに。私が好きなのは、あなたです。2度と疑ったりしないで」
「ああ……本当に俺でいいのか?」
「疑うなら、ここには二度と来ない」
「ダメだ。もう、離さない」

「都……俺達、あ互いに遠慮してたんだ」
「遠慮してたのは、私だけよ」
「いいや。違うよ。こっちも君にはっきり聞けなかった」
「聞けなかった?」彼は頷いた。
「君は、どうして俺と一緒に住むのを嫌がるんだ?
それだけじゃない。籍を入れたがらないのは、どうしてだ?なぜためらう?君は、岡のことがまだ忘れられないからか?」

「違います!!」大きく首を振った。
「何が違うって言うんだ?」
「だって、違うもの。一緒に住めないと思ったのは、私が不器用で、仕事も家庭も宙ぶらりんで、一度にたくさんのことが出来ないからよ。他に理由はないわ」

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