やさしくしないで ~なぜか、私。有能な上司に狙われてます~
電源ランプがつかない。バッテリーも外して放電してもダメ。いろいろ調べてみたけれど、かなりの重症だった。
私は、必要な書類に情況を書き込んでいるところだった。

「この間は大丈夫だった?」
私は、見ていた書類から視線を上げた。
作田君が、真面目な顔してこっちを見ている。
「この間の話って、なんのことかな?」
私は、そ知らぬ顔で答えた。
本当は、作田君が言ってることが何なのか、察しはついた。ついたんだけど。そのことを作田君と話したくなかった。

まずひとつは、作田君に知られると、からかわれるに決まってる。誰とでも仲良くなって、社内で知らない人はいないという作田君だ。彼が仕入れた情報は、かなりなものだろう。だから、いつの間にか彼に情報を提供する側に回ってしまう可能性もある。

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