旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです
「ごめん。よく寝てたのに起こしちゃったね」
「い、いえこちらこそ……すみません」
「でもあの桐島さんも昼寝するんだね。しかもこんなマニアックな所で」
津ヶ谷さんの言葉にはっと現状を理解する。
こんなところでひとりでお昼を過ごしているなんて知られたうえに、昼寝しているところまで見られるなんて……最悪だ。
恥ずかしさで熱くなった顔が、今度はサーっと冷めていくのを感じた。
「は、恥ずかしい。すみません、みっともないところお見せして」
「気にしないで。むしろ桐島さんの意外な一面が見られてラッキー、ってところかな」
けれど津ヶ谷さんはからかったり引いたりする様子も見せず、むしろ笑って流してくれた。
いい人だなぁ。これが王子と言われる所以だろうか。
感心していると、津ヶ谷さんは私の乱れた前髪を指先でそっと整え、小さく微笑む。
「だけど、桐島さんみたいな綺麗な人が無防備な姿でいるのは危ないから、気をつけてね」
それは、褒め言葉に加え気遣ってくれるひと言。その言葉に胸はキュンと強くときめく。
お、王子様……!
すると壁にかけられた時計が昼休み終了5分前を指していることに気づく。
「あっ、時間!すみません、失礼します!!」
そしてお財布などの貴重品をいれた小さなバッグを手に、慌ただしく資料室を飛び出した。