旦那様は溺愛暴君!? 偽装結婚なのに、イチャイチャしすぎです



「けどな、俺だって誰でもいいわけじゃない。選ばれたことに喜べ」

「えっ、そうなんですか?」



そっか、少しくらいは私にいい印象を持ってくれたということ?

一瞬で機嫌を直し津ヶ谷さんの方を見る。ところが。



「まぁ、お前の外面に対しての評価だけどな」



そのセリフとともにフン、と鼻で笑われ、すぐさま自分の顔が不機嫌なものになるのがわかった。



悪かったですね、外面だけの女で……。

車が港区を走っていることに気付き、そういえばどこに向かっているのだろうと今更ながら疑問に思う。



「ところで、どこに向かってるんですか?」

「俺の家」

「へ?」



津ヶ谷さんの、家?

って、どうして?



不思議に思っていると少ししてタクシーが止められた。

サッと手早く支払った津ヶ谷さんに続いて降りると、目の前には大きな外壁と門を構えた日本家屋が建っている。



お、大きい……!

ぽかんと口を開けていると、彼は黒い門を開けて中に入ると私を手招く。



「ここが津ヶ谷さんの家、ですか?」

「俺のというか、うちの持ち家のひとつだな。あと青山に実家があって、国内外にいくつか別荘がある。ここは俺と家政婦の小西さんしか住んでない」

「は、はぁ……」



『持ち家のひとつ』、『別荘』、『家政婦』……。

次々と発せられるお金持ちならではの発言に、やはり私は気の抜けた返事しかできない。


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