今夜、色のない君と。
「……かわいい色ですね。ピンク色」
「…そう思う?」
「はい」
女のコだな。
絵の中から出てきても、中身はちゃんとした女のコなんだ。
女のコは、持っていた本を元の位置にきちんと戻してから、また色々な本を手に取って観察していた。
……なんか、誰かに似てる。
性格かな。
ちょっと控えめな感じだけど、マイペースっていうか…。
…あ、わかった。
あのコだ。
あの恋愛小説のヒロイン。
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