溺甘系朧咲夜【完】
もう開き直りもいいとこだ。先生はぽかんとした顔をして見て来るばかり。う、レア顔……。
「――なら、男いるって言えるよな?」
「は、はい? なんでそうなるんですか?」
一転、先生は何か企んでいるような顔つきになった。唇の端が少しあがって、にやりとした感じ。
「咲桜が穏やかに過ごすためならそこら辺の野郎なんざ掃(は)いてやる。だから、俺を咲桜の男にしておけ」
「へ……………………………」
な、なんか先生、生徒に対してすごい言い方したような……そんでもってすごいことも言われたような……。
「先生、私の彼氏になってくれるんですか?」
い、今の言い方、直訳? するとそう捉えられるような……。けど、先生は否定した。