溺甘系朧咲夜【完】
「えと……その、いつからかは、憶えてないんですけど……ずっと、私に一番優しくて、カッコよくて爽やかで言葉も行動もやることも何もかもイケメンで美形で美丈夫で、頭良くてって言うか良すぎて、背が高いから私が隣にいても私の図体のでかさが目立たないし、私が作ったご飯をいつも美味しいって食べてくれて、洗い物なんかはちゃっと済ませてくれちゃっていたりして、勉強教えてくれるときはしっかり教えてくれて――ってもう止まらないんでこのあたりでいいですか⁉ そんな人です!」
なんで本人を目の前にして(しかも抱き寄せられていて)こんな告白しなくちゃいけない! これだったら『好きです』って言う方がまだ軽い処刑だよ!
「そんなヤツが咲桜の傍に……? 知らないんだけど」
「先生ですが⁉」
「……は?」
「……へ?」
あ、あれ? 私、今、言っちゃった?
不思議顔で見つめてくる先生の視線から私も目を離せず、一度口にしてしまった想いは歯止めを失ってしまった。
「私が好きなのは先生ですからっ。だから彼氏はいないけど好きな人はいるって言えます! 私が勝手に好きなだけですけどね!」