溺甘系朧咲夜【完】
「在義さん、咲桜、昨日学校の先輩に告られてるんですよ。そういうのの虫除け程度に捉えてればいいんじゃないですか?」
「ふゆちゃんなんで知ってるの⁉」
思わず声を荒らげてしまった。
そのことは笑満と頼以外知らないはずなのに――
「咲桜のすぐ傍に僕の協力者がいるからね」
「頼を警察に巻き込むの止めてよふゆちゃん! あいつ好奇心のカタマリだから取り返しのつかないところまで行っちゃいそうで不安しかない!」
ふゆちゃん――吹雪さんとは色々話しているうちに意気投合して、いつの頃からか『ふゆちゃん』と呼ぶようになっていた。
ってか高校生を協力者にするな! ふゆちゃんはハッと吐き捨てるように言う。
「別に僕から要求しなくても、頼が勝手に話していくだけだよ。咲桜が告白されたの、相手は全部知ってる」
「あのバカ――――!」
なんてことしてくれてんだ! 優等生の問題児め―――!
頭を抱えて叫ぶ私にふっと笑みを見せて、ふゆちゃんは続けた。
「そしてその相手はことごとく僕の復讐対象だ。僕の大親友の咲桜に手ぇ出そうなんて死して詫びればいい」
「吹雪くん? 父親の私より怖いこと言わないで?」
在義父さんが全然驚いても怖がってもいない様子で口をはさんだ。