溺甘系朧咲夜【完】
「それより咲桜、お前はそんなに告白されてるの? お父さん知らないよ?」
在義父さんが、今度はまじまじと私を見て来た。う……。
「そ、そんな告白されてるわけじゃないよ。在義父さんは彼氏出来たら紹介しろって言ったけど、そこまで知らせろって言わなかったから話してないけど……」
うう……視線が痛い……。
言った通り、告白なんてそうされているわけじゃない。中学から通して三回くらいだ。
ふゆちゃんが大袈裟に言うから大袈裟に聞こえたんだと思うけど……痛い視線の主は、在義父さんじゃなくて隣の先生だ……。
なんとなく言い出しづらくて、先生に言ったことないんだよなあ。
「流夜くん、咲桜との付き合いを認めるよ」
「なんで急に⁉」
在義父さんが手の平返しみたいなことを言った。
在義父さんは身を乗り出していたのを一転、ソファの背もたれによりかかる。