溺甘系朧咲夜【完】
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「失礼しまーす」
「どーぞ」
昼休み、いつものように旧校舎を訪れた。
「今日のお弁当です」
「いつも悪いな」
……流夜くんに、全然変化はない。それこそいつも通りだ。
「咲桜、今日は勉強、どっちでする?」
受け取った流夜くんがそう訊いて来た。
「えと……在義父さん遅くなるって言ってたんですけど、夜々(やや)さんと箏子(ことこ)おばあちゃんがご飯一緒しよって言ってたんで、うちでもいいですか?」
夜々さんは在義父さんの年の離れた幼馴染で、箏子おばあちゃんはそのお母さん。
お隣の朝間(あさま)家の二人で、血縁関係はないけど、小さな頃から私の家族みたいな人たちだ。
「それだと俺、邪魔じゃないか?」
「そんなことないですよ。むしろみんなでご飯食べません?」
「問題ないなら、それで」
「じゃあ、今日は家で待ってますね」
そう言って、踵(きびす)を返そうとした――けど、後ろから腕を摑まれた。
「咲桜? 何かあったか?」