溺甘系朧咲夜【完】


「………」


あれ、おかしいな……私もいつも通りなはずなんだけど……。


腕を摑まれて停まった足はそのまま、振り返れなかった。


「咲桜?」


何も言わない私を不審に思ったか、流夜くんが一度腕を離して私の前へ回り込んで来た。


「どうした。クラスでなんかあったのか?」


少し身を屈めて、私の前髪を押し上げて額に手を当てて来た。


「……咲桜?」


「……あの、一つ、訊いてもいいですか?」


「うん?」


「………お見合いするって、本当ですか?」


心臓がドキドキしてきた。訊いておきながら、答えを聞くのが怖い――。


流夜くんは、眉根を寄せた。


「は? そんなことしないけど?」

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