溺甘系朧咲夜【完】
龍生さんに問われて、笑満は苦笑する。
「生徒会から逃げ回ってます。次の会長選、今の生徒会は遙音くんを推したいらしくて。でも遙音くんは《白》の仕事優先したいから、生徒会に使える時間もないって断ってるんですけど、なかなかしつこくて。今日は遙音くん、いい加減断ってくるって乗り込んでいきました」
「突撃してんの、娘ちゃんじゃなくて遙音じゃねえか」
「「「あ」」」
龍生さんに呆れられて、三人今頃気づいた。ほ、ほんとだ……。
「しかし、なんで遙音がそんな役職に? あいつ、人を率いるの得意なタイプじゃねえだろ」
「あー、そこはやっぱ藤城主席の名前の所為かと……」
笑満が苦笑いしながら言う。
だよねえ、と肯く私と頼。龍生さんも「大変だな」と呟いていた。
藤城主席は、つまり藤城学院高校で一番の成績の人ってこと。
二年生でそう呼ばれる遙音先輩は、かなり有望ってことだ。
全国模試一位とかよく取ってる。
「でも、遙音くんが本当にやりたいのは学校内のそういうことじゃなくて、流夜さんたちの後継になることですから」