溺甘系朧咲夜【完】
―――。
それ、私が言いたかった。
一気に自分の意識が世界から離れた気がした。
流夜くんも金髪美人さんも、黒髪の女性も遠くなって、私は足元がスカスカの場所に立たされている感覚になった。
視界は利いているから、黒髪の女性が悔しそうな顔で立ち去ったのはわかった。
流夜くんが金髪女性の腕を摑んで、みんなに何か言ってからふゆちゃんの一緒に足早に去って行くのもわかった。
……私、置いてけ堀だ。
なんとなくみんなの様子も落ち着かなくて、一人が「帰ろうか」と言ったのをきっかけに、それぞれの方へ歩き出した。
私も笑満と並んで少し歩いたけど、足はゆっくりと止まった。
……何が、あった?
「さ、咲桜……?」
心配そうな顔で覗き込んでくる笑満。頼の視線も感じる。
でも、意識がはっきりしない私は返事が出来なくて――鞄に入れていたスマホの音で、何故か急に目が覚めた気分になった。
慌てて取り出すと、流夜くんからのメッセージだった。
見るのが怖いと思いながら、指はすぐに開封してしまった。