甘くて、苦くて
朝、リュージュの腕の中で目を覚ました。
記憶はある、覚えている。
「若菜…起きた?」
『うん…おはよ…』
「おはよ」
『ごめんね…シャワー借りるね…』
なんの、ごめんねなんだろう。
酔った勢いで誘ったこと?
寂しさを埋めるために利用したこと?
無かったことにしてほしいこと?
全部かもしれない。全部だ。
シャワーを浴びながら、泣いた。
リュージュとの関係が壊れるのが怖くて、
馬鹿な自分に情けなくて、
はる君のことをもっと思い出してしまって、
泣いた。
シャワーが涙を洗い流してくれた。
この日のことは、
リュージュとは、なかったことに、した。
それでも2人で遊ぶことはなくなった。
やっぱり、気まずくなった。
あんなに仲良かったのに。
全部私のせい。後悔した。
でも、もう遅かった。
お酒に酔った勢い、
大学生なんて、これで全て許されると思ったんだ。
でも、そんな簡単じゃなかった。
リュージュはいつの間にか、
タバコを吸うようになった。
私はタバコの煙が嫌いだ。
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