好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「もういいですか……?」

これ以上聞かれたら、余計なことを話してしまいそうだ。

俺は記者がメモをとっている隙に、家の鍵を開けた。



「長くなってしまって、すみません。
最後に、これだけ確認していただけますか?」

そう言って、記者は俺に一枚の写真を差し出した。

俺は玄関のドアに手をかけたまま、視線だけ向ける。



そこには、映画館で手をつないで座っているほのかと俺が写っていた。

俺は驚いて、写真を握る記者を見上げた。



「デビュー前は、お付き合いされてたんじゃないですか?」

単刀直入に聞かれて、俺はすぐに言葉がでなかった。
< 107 / 210 >

この作品をシェア

pagetop