好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
外からノックする音と同時に、狭苦しい部屋のドアが開いた。

入ってきた若い男はスーツを着ていて、警備員とは職種が違うようだ。



「もしかして、蓮見蒼君かな?」

その男は、俺を見るなり口を開いた。

どうして俺の名前知ってるんだよ……

不審に思ったが、俺はうなずいてその男を見上げた。



「……ていうか、あんた誰だよ」

「snow mistのマネージャーです」

「あんたがほのかのマネージャー……?」

生意気な口を叩く俺に一瞬嫌な顔を見せたが、「そうです」と答えて男は俺の向かいに座った。
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