好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「俺はいいよ……」

「本当にいいの?弓槻さん、すごく綺麗じゃん」

「……てか、あいつが来るってわかってんなら教えてくれよ」

「だって、弓槻さん同窓会は欠席するって返事きたから、まさか式典だけ来ると思ってなくてさ……蓮見君に言ったらガッカリすると思って」

「マジか……」

「ねぇ、今声かけないと、式典終わったら弓槻さん帰っちゃうんじゃない?」

何も答えず笑顔で写真を撮るあいつを見ていた俺のスーツを、笹川が引っ張った。



「やっぱり、あたし弓槻さんと写真撮りたい……蓮見君、これで撮ってよ」

笹川は、自分のスマホを俺に手渡した。
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