好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
「おめでとう!」

ほのかは間を空けてから、元気な声で言った。

悪いことをしてしまった気がして、俺は低く「ありがとう」とつぶやいた。



「春休み帰ってこないの?」

受験勉強に集中すべき時に余計なことは考えないようにしていたが、俺はほのかに会いたくなった。

新曲のジャケット写真で見た大人びたほのかを、自分の目で見たかった。



「春休みは……」

ほのかは、少し考えている様子だった。

芸能人のほのかを、春休み中の暇な学生と同じように考えてはいけなかったのだろうか。



「帰る……帰るよ」

ほのかは、明るい声で答えてくれた。
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