好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
ほのかが東京からやってくる日、俺はずいぶん早く駅に到着した。

着慣れたジーンズと黒いパーカーに、いつものグレーのリュックをしょってきたが、気合が入りすぎだろうか。



ほのかが乗った新幹線が到着するまで、まだ時間がある。

ほのかと一緒に映画を観るところまでは計画を立てたが、その後は何をしよう……

オシャレなレストランを予約しといたほうがいいのだろうか。



いや、まだ中学を卒業したばかりの俺がそんなことをしたら、ほのかにキザな奴だと思われてしまうだろうか。

流れで、ショッピングモール内のレストランで食事をしたほうが自然だろう。



ほのかの前で、モタついてカッコ悪いところは見せたくない。

俺は改札前の柱に寄りかかり、ショッピングモール内のレストランをスマホで調べていた。
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