好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》
『ラッピングはしなくていい』と言ったのは俺だが、店名のロゴがデカデカと書かれた安っぽいビニール袋に入れられてしまった。

俺はその袋からウサギだけ取り出した。



東京行のホームへと続く階段を駆け上がる。

新幹線を待つ行列の一番後ろに立っているあいつが見えた。



新幹線がホームに入ってくる。

俺は、大声であいつの名を呼んだ。



「ほのか!」

あいつは、俺の声に振り返った。
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