死にたい君に夏の春を
結局、推しの強い九条に負けて一緒の部屋で寝ることになった。
しかし、距離が近いと僕が絶対寝れなくなるから、1メートルほど離れることで妥協した。
「おやすみなさい」
そう言って彼女はそれ以上の言葉は発せず、すぐにダンボールとバスタオルだけの簡素な寝床に寝入った。
こんなに意識しているのは僕だけなのだろうか。
でも仕方ない。
誰だって少しぐらい意識するだろ。
おかしいのは九条の方なんだ。
そう思うことにして、頑張って寝ようとする。
だがしかし、目を瞑っても全く眠気が起きない。
疲れているはずなのに、寝ようとすればするほど目が覚めてくる。
足の痛みはまだ引かないし、硬いだけのベッドは体中を圧迫する。
寝床が違うだけでこんなにも寝れなくなるとは思わなかった。
ただ何も無い時間が過ぎていく。