死にたい君に夏の春を
昔のことを思い出して、精神的にも辛くなってきた。


仰向けで横たわっていると体が痛くなってきたので、九条のほうに寝返りをうった。


彼女は反対側を向いていて、顔は見えない。


そういえば、九条は僕のことをどう思っているのだろう。


あまり言葉を交わさない僕らは、お互いのことをあまり知らない。


というか、一方的に彼女の家庭内事情を聞くだけで、僕の話は全くしていない。


聞いてこないということは、やはり僕のことなんてどうでもいいのだろうか。


ただ青春を探すための協力者としか認識してなかったら……。


あぁ、だめだ。


やはり暗いことばかり考えてしまう。


夜は嫌いだ。


いつもネガティブな自分がより一層暗くなる。


九条と出会っても、僕は全然変わってないじゃないか。


自分を変えたいだなんて、何故そんな浮かれたことを思ったのだろう。


勝手に人のことを評価するような奴が、そう簡単に変われるはずがない。


だが青春という経験を通して彼女を救うことで、僕の心も救われるような気がする。


これはただの自己満足だが、それでいい。


自由に生きたいんだ。


母は嫌いだけれど、そうなりたいと願うのは矛盾しているだろうか。
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