死にたい君に夏の春を
重い瞼を、ゆっくりと開ける。
眩しい光が照らしてきて、前が何も見えない。
顔の前に手をかざしながらも、体を起こす。
いつの間に寝ていたのだろうか。
ポケットに入ってあったスマホを取り出し、時間を確認する。
もう昼の2時だ。
寝付けなかった割に、時間はあっという間に過ぎていた。
最近朝寝坊することが多くなったな。
隣に目をやると、そこに九条の姿はなかった。
買い物にでも行ったのだろうと思ったが、財布が机の上にあったのでそうではないらしい。
立ち上がり、寝起きの脳を回転させて九条を探すという結論に至った。
買い物じゃないなら外に空気を吸いに行ったのだろうか。
部屋を出て、屋上へ向かおうとする。
しかし、僕の探していた姿はすぐに見つかった。
しかも階段に倒れた姿で。
「九条!?」
思わず叫んで、駆け寄る。
「おい、大丈夫か!?」
抱きかかえると、明らかに熱すぎる肌の熱が僕の手に伝わる。
咳が混じった荒い息。
すぐに体を持ち上げ、部屋に戻る。
非力な僕でも軽いと思える体重である。
心配になりながらも、簡素な寝床に横たわらせた。