大江戸シンデレラ

だが、しかし……

かようなことを申せば、兵馬と玉ノ緒の「逢瀬」の場で、舞ひつるが陰でこそこそと聞き耳を立てていたのが(あら)わになってしまう。

ゆえに、舞ひつるは思わず袂から顔を出しはしたものの、兵馬を親の仇でも見るかのごとく睨むことしかできなかった。


「な、なんだよ……そないに(こえ)ぇ顔すんなよ」

兵馬はさっぱり訳がわからない。
今までの勢いも失って、たじろいだ。

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