大江戸シンデレラ
相対した広次郎に、美鶴は会釈した。
「……美鶴殿、叔父上より『話』は聞いてござるか」
広次郎から開口一番尋ねられる。
二人が祝言を挙げて夫婦にならねばならぬ話であろう。
美鶴は、こくりと肯いた。
「そなたにとっては突然の話で、きっととまどわれたでござろうが……」
「いえ、わたくしも武家に名を連ねる身、此度のごときお話は、しかと心得ておりまする」
美鶴はきっぱりと云い切った。
「……そうか」
広次郎は、ほっとした顔を見せた。