大江戸シンデレラ
「……父上はさようなことまで、そなたに云うてござったのか」
思わず、兵馬の物云いがまた武家の言葉に戻った。
「やっぱり……さようでござりまするか」
美鶴は兵馬をきゅっと睨んだ。
「いや、待て、違うぞ。信じてくれ。
決して玉ノ緒を望んだのではあらぬ。
某が吉原の廓から身請けしてまで妻に迎えたいと、我が父に頭を下げた相手こそ……」
兵馬は目力を込めて美鶴を見つめた。
「本当に美鶴——そなた、なのだ」