停留所で一休み
あいつが呆れているのが分かる。

「若いヤツだったらともかく、この年で吐くまで飲むなんて、恥ずかしいぞ。」

私は身体を起こすと、壁を伝いながら店の小脇を出た。

「そりゃあ、ご忠告ありがと。」

「ああ?」

「そう言う本村君は、立派な社会人だもんね。」

「小形?」

「弥生から聞いたよ。努力が実って、どっかの会社から来てほしいって言われてるんでしょ?」

ちらっと、あいつを見た。


「知ってんだ。東京に行くこと。」

あいつは、否定しない。

ウソだったんだ。

この前、安心しろって言ったこと。


「あのさ、小形。」

「何?」

私はイライラしながら返事をした。

「不機嫌だな。」
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