停留所で一休み
「別に。何か言うことがあったら早く言って。」

「ああ、そうだな。」

だけど、あいつはなかなか切り出さない。


「ないんだったら、もう行くよ。」

私はあいつを置いて、歩き始めた。

「お、小形。」

あいつは引き留めるように、私の腕を掴んだ。

「おまえはいつ、東京に戻るんだ?」

「東京に?」


そんなの全く考えてない。

というか……


「実はさ、俺が行く会社って、」

「関係ないよ。」

私はあいつの話を、途中で遮った。

「本村君がどこの会社に行こうが、私には関係ないし。」

そう言って、小さく溜息をついた。

「それに私、東京にはもう戻らないかもしれないし。」


そのつもりで、田舎に帰って来たんだもんね。
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