停留所で一休み
大きな目を、パチパチさせている一香を、背中で見送って、私と父はバス停までの道のりを歩いた。


10分ほどしてやって来たバスに乗り込み、私と父は一番後ろの席へ座った。

「克己とは何か話したか?」

唐突だった。

「…少し。」

父は笑みを浮かべた。

「昨日のあいつには、びっくりしたな。まさか、あの鼻タレ坊主が、女をかばうなんてな。」

お父さんもそう思ってたんだ。

「大きくなったんだな……」

バスの中の客が、私達を除いて1~2人なのをいいことに、父は大きな声でつぶやく。

「そうだよね。克己も来年は、パパになるんだもんね。」

「そうか……あいつも親父になるのか。」

私と父は腕を組みながら、同じ方向を向いた。
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