停留所で一休み
ドキッとした。

「な~んで!私の故郷はここなんだよ。」

勢いよく私は、また父の隣に腰を降ろした。

「おまえは高校の卒業と同時に、東京に行ったからなぁ。12年もいれば、東京もよくなるだろう。」

「ああ、住めば都ってヤツ?」

「そうだな。」


東京か。

確かに最近は、東京の家に帰ると、ほっとすることもあった。

自分だけの小さな家。

それだけで安心するのだ。


「そろそろ、東京に戻るのか?」

父は海を見つめながら言った。

「どうかな……」

私の気持ちは、決まっていない。

「お父さん、私が東京に戻ったら寂しくない?」

「そりゃあ、寂しいな。」

父はタバコに火を着けた。
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